
こんにちは。 利用者様・ご家族に喜ばれ信頼される訪問看護ステーションをつくる一般社団法人 SOYの早川あかりです。
「精神科訪問看護を利用しているけれど、病院への通院にも付き添ってもらえるのだろうか」と、疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、精神科訪問看護で通院同行ができるのかどうかを詳しくお伝えします。
あわせて、通院に不安がある場合に活用できるサービスや、精神科訪問看護の具体的な支援内容、対応できる範囲についても詳しく解説しますので、ぜひご覧ください。
目次
精神科訪問看護で通院同行は可能?
精神科訪問看護を利用している方の中には、通院時の付き添いを訪問看護師に頼めないかとお考えの方もいらっしゃいます。
結論から申し上げると、医療保険・介護保険を利用した精神科訪問看護での通院同行や受診の付き添いは、原則としてできません。
なぜ訪問看護では通院同行ができないのか
訪問看護は、利用者様の自宅(居宅)に訪問して行う看護サービスと定められており、サービスを提供できる場所が「利用者様の住まい」に限られています。
病院内や移動中などの「住まいの外」での対応は、サービスの対象範囲に含まれていません。
そのため、医療保険・介護保険のいずれを利用している場合でも、受診の付き添いや通院同行は訪問看護の対象外となります。
通院同行が難しい場合に利用できるサービス
精神科の通院に不安や困難を抱えている場合は、以下のようなサービスを組み合わせることで、安心して受診を続けることができます。
付き添いサービス(自費)
訪問看護ステーションや訪問介護事業所の中には、保険適用外(自費)の付き添いサービスを提供しているところがあります。
普段から関わりのある訪問看護師に自費で同行してもらうことで、移動のサポートだけでなく、医師との会話を仲介してもらったり、日頃の生活状況を代わりに伝えてもらったりといったメリットもあります。
自費サービスを実施しているかどうかや費用の目安については、担当の訪問看護ステーションやケアマネジャーに確認しておきましょう。
介護タクシー・福祉タクシー
「受診への付き添いまでは必要ないが、自力での移動が難しい」という場合には、介護タクシーや福祉タクシーという選択肢があります。
介護タクシーは、要介護認定を受けた方が対象で、介護保険を活用することで自己負担を抑えながら利用できます。
乗降時の介助も受けられるため、身体的なサポートが必要な方にも安心です。
一方、福祉タクシーは、身体障害者手帳や療育手帳をお持ちで、公共交通機関の利用が難しい方向けのサービスです。
精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方へ福祉タクシー利用券を交付している自治体もあります。
介護タクシーとは異なり、介護保険の適用はなく、乗降時の身体的な介助は基本的に対応範囲外となる点を押さえておきましょう。
訪問介護員との連携
要介護認定を受けている方であれば、介護保険を利用して訪問介護のヘルパーに通院時のサポートを依頼できる場合があります。
車への乗り降りや移動の介助を受けられることで、通院のハードルを下げることができます。
ただし、利用できる内容や費用は事業所によって異なります。
まずはケアマネジャーに相談し、利用可能なサービスを一緒に確認してみましょう。
精神科訪問看護の内容とできる範囲を再確認!

通院同行はできないとお伝えしましたが、精神科訪問看護はその分、在宅での生活を幅広く支えてくれるサービスです。
ここでは、通常の訪問看護との違いや、精神科訪問看護ならではの支援内容、そして「できること」「できないこと」を整理してお伝えします。
通常の訪問看護と精神科訪問看護の違い
精神科訪問看護は、精神疾患を抱える方を対象に、精神科領域の知識と経験を持つ看護師が訪問するサービスです。
精神保健福祉士や作業療法士が連携して支援を行うこともあり、スタッフは精神科病院での勤務経験や専門的な研修を受けている場合が多いのも特徴です。
精神症状の変化を早期に捉えながら、きめ細やかなケアを提供します。
精神科訪問看護でできること
精神科訪問看護では、次のような幅広い支援を行います。
日常生活の維持・生活技能の向上
入浴介助や排泄ケア、生活リズムの改善支援をはじめ、金銭管理や対人関係の維持・構築など、地域で生活を続けるための力をともに育んでいきます。
昼夜逆転や暴飲暴食などの生活リズムの乱れは、病状の悪化につながることも少なくありません。
日常生活の安定を支えることは、重要な役割の一つです。
服薬管理・症状の観察
自己判断による服薬中止や過剰摂取を防ぐための支援を行います。
副作用の確認や症状変化の早期発見に努め、主治医や薬剤師と連携しながら病状の安定を図ります。
ご家族へのサポート
精神疾患を抱える方を日々支えているご家族の心理的負担も見過ごせません。
精神科訪問看護では、ご本人だけでなくご家族とのコミュニケーションも大切にしています。
関係性が円滑になるよう間に入り、家族関係の調整や心理的なサポートにも取り組みます。
社会資源の活用に関する助言
自立支援医療制度、障害年金、グループホーム、就労移行支援など、在宅生活をより安心して送るためのさまざまな社会資源について、情報提供や活用のアドバイスを行います。
多職種との連携
主治医の指示のもと、作業療法士、相談支援専門員、担当保健師、ヘルパー事業所などと連携し、生活全体を包括的に支えます。
緊急時の対応や症状悪化時の早期介入も、こうした連携体制があってこそ迅速に行うことができます。
精神科訪問看護でできないこと
精神科訪問看護は、あくまで「看護サービス」です。
そのため、掃除・洗濯・調理・買い物同行などの家事全般は対応範囲外となります。
これらの生活支援が必要な場合は、訪問介護(ヘルパー)サービスの利用を検討しましょう。
また、先述のとおり、病院への通院同行も保険内では対応できません。
在宅の住まい以外での支援が必要な場合は、自費サービスや他の制度との組み合わせを検討することが大切です。
精神科訪問看護の利用条件などについては、下記コラムでご紹介していますので、あわせてご覧ください。
精神科訪問看護の利用条件は?利用までの流れや利用可能な別制度も
精神科訪問看護の通院同行は原則対象外
精神科訪問看護では、医療保険・介護保険を利用した通院同行や受診の付き添いは、残念ながら原則対応が難しい状況です。
訪問看護は利用者の自宅で提供するサービスと定められており、病院内や移動中など住まいの外は対象外となるためです。
通院に不安がある場合は、自費の付き添いサービス、介護タクシーや福祉タクシー、訪問介護による通院介助などを組み合わせる方法があります。
一方で精神科訪問看護は、在宅生活を支える専門的な支援が充実しており、日常生活の安定、服薬管理や症状観察、家族支援、社会資源の活用助言、多職種連携などを通じて、住み慣れた場所での暮らしを支えます。
利用できるサービスや制度について不明な点があれば、担当の訪問看護ステーションやケアマネジャーにお気軽にご相談ください。



