訪問看護で働く

2024.11.12

訪問看護指示書とは?種類やチェックするべきポイントも

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訪問看護指示書

こんにちは。利用者様・ご家族に喜ばれ信頼される訪問看護ステーションをつくる一般社団法人 SOYの大山あみです。

 

在宅医療で訪問看護を提供するには、訪問看護指示書の交付が必要です。

今回のコラムでは、訪問看護指示書の概要から、種類、交付の際に確認すべき重要項目などを解説します。

 

訪問看護の根拠となる書類ですので、しっかり理解を進めていきましょう。

この記事を書いた人

一般社団法人SOY 訪問看護ステーション管理者大山 あみ

外科病棟を中心に約20年に渡り急性期医療に携わり、検査、処置、入院・手術を含む急変への対応を経験。
病院ばかりではなく在宅医療の重要性を実感するに至り、訪問看護に携わることを決意。
以来、訪問看護ステーションにおいて利用者とご家族のケア並びに従事する看護師の育成とサポートを行なっています。

訪問看護サービスを行うには、必ず主治医による訪問看護指示書が必要になりますが、訪問看護指示書を正しく理解することが、質の高い医療を提供するための第一歩となります。
このコラムが、主治医からの指示内容の正確な把握と、記載情報の確認の徹底につながるきっかけになると嬉しいです。

訪問看護指示書とは?指示書の種類について

訪問看護指示書とは、主治医が訪問看護の必要性を認めた際、訪問看護ステーションに対して交付する文書です。

この指示書がなければ訪問看護を提供することができません。

 

訪問看護指示書の種類

訪問看護指示書は、看護の内容に応じて4つの種類が使い分けられます。

 

それぞれの指示書の名前は以下のとおりです。

  • 訪問看護指示書
  • 特別訪問看護指示書
  • 在宅患者訪問点滴注射指示書
  • 精神科訪問看護指示書

 

訪問看護指示書

訪問看護指示書とは、在宅医療において、訪問看護ステーションなどの指定訪問看護事業者が利用者様に対して訪問看護や訪問リハビリを実施する際に、主治医より指示を受けるために交付してもらう書面です。

 

訪問看護指示書には、訪問看護師が把握する必要がある利用者様の基本情報や病名、治療状況、必要な処置が記載されています。

訪問看護は介護保険・医療保険のどちらでも利用することができますが、いずれの場合も「主治の医師による指示を文書で受けなければならない。」と定められています。

 

指示期間は最大6ヶ月設定することができます。

 

特別訪問看護指示書

特別訪問看護指示書とは、主治医が診療に基づき、急性増悪(急激に症状が悪化すること)や終末期、退院直後などで一時的に頻回な訪問看護を行う必要があると認めた場合に、交付される指示書のことです。

 

指示期間は最大14日まで設定することができます。

基本的には月1回のみ発行できますが、重度褥瘡の場合は月2回出すことが可能です。

 

特別訪問看護指示書があることで、以下のように対応することができます。

  • 1日に複数回(3回まで)の訪問
  • 週4日以上の訪問が可能
  • 90分を超える訪問が週1回可能
  • 複数の指定訪問事業所(訪問看護ステーションなど)から、複数名の看護師による対応が可能

 

在宅患者訪問点滴注射指示書

在宅患者訪問点滴注射指示書とは、主治医が週3回以上の点滴治療が必要と判断した際に交付される指示書です。

 

指示期間は7日になるので、必要であれば毎週交付されます。

また、指示期間は最大7日で、月に何度でも交付することが可能です。

 

精神科訪問看護指示書

精神科訪問看護指示書とは、精神科の主治医が精神訪問看護の必要性があると判断した際に交付される指示書のことです。

精神科医のみが交付することができます。

 

訪問看護指示書との併用はできません。

 

 

訪問看護指示書でチェックするべきポイント(間違いの多いポイント)

訪問看護指示書には、適切な看護サービスを提供するために多くの情報が記載されています。

 

以下のような情報が記載されているので、訪問看護指示書を受け取った際には、しっかりと確認しましょう。

  • 訪問看護指示期間
  • 主たる傷病名
  • 病状・治療 状態
  • 投与中の薬剤の用量・用法
  • 褥瘡に関する情報
  • 装着・使用医療機器に関する情報
  • 療養生活指導上の留意事項
  • リハビリテーションに関する情報
  • 緊急時の連絡先、不在時の対応について
  • 医師氏名、医療機関名

 

指示書が発行されたときにチェックするポイントを紹介します。

 

訪問看護指示期間

通常の訪問看護指示書の指示期間は1~6カ月と定められています。

指示期間の記入のない場合は、【無効】になります。

指示期間の記入がない場合は、発行元に連絡して記入してもらいましょう。

 

【チェックポイント】指示期間の確認

訪問看護指示書の指示期間は、最大で6ヵ月までと定められています。

よくある間違いとして、「1月1日~7月1日」のように期間が6カ月を超えて記載されることがありますので、注意しましょう。

 

主たる傷病名

訪問看護利用の根拠となる傷病名や病状が記載されます。

 

【チェックポイント】傷病名コードが記載されているか

2024年6月度の報酬改定で、訪問看護利用の根拠となる傷病名コードの記載が必要になりました。

傷病名コードが記載されているか確認しましょう。

 

医療機関名、主治医名

訪問看護指示書には、指示書を作成した日付、交付元の医療機関名、住所、連絡先と医師名が記載され、医師の捺印がされています。

訪問看護指示書を発行できるのは、基本的に利用者様1人に対して1人の主治医となります。

 

【チェックポイント】医師の捺印があるか

医師の捺印がない指示書は無効となります。

交付された指示書に捺印があるか確認しましょう。

 

内容をしっかりチェックし、あいまいな記載や誤りがあった場合はすぐに発行元医療機関に確認、修正依頼をしましょう。

正しい訪問看護指示書が届くまでは訪問看護を提供することはできません。

 

 

訪問看護指示書とは訪問看護提供のために主治医が交付する書類

訪問看護指示書とは、訪問看護が必要と主治医が認めた場合に交付する書類です。

通常の訪問看護指示書のほか、利用者様の状態や必要なケアの内容によって、特別訪問看護指示書、在宅患者訪問点滴注射指示書、精神科訪問看護指示書の4種類があります。

 

訪問看護指示書には、利用者様の病状、治療内容や日常生活の留意点など情報が詳しく記載され、これをもとに看護を提供します。

 

正しく訪問看護サービスを提供するために、訪問看護指示書は隅々まで確認しましょう。

 

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