訪問看護で働く

2025.06.09

訪問看護における家族支援の重要性とは?具体的なサポート方法を紹介

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血圧を測る患者さん

こんにちは。利用者様・ご家族に喜ばれ信頼される訪問看護ステーションをつくる一般社団法人 SOYの大山あみです。

 

訪問看護には、利用者様へのケアだけでなく、在宅療養を支えるご家族への支援という重要な役割があります。

ご家族が疲れてしまうと、在宅療養の継続が難しくなることもあるからです。

 

今回は訪問看護における家族支援の重要性と具体的なサポート内容についてご紹介します。

この記事を書いた人

一般社団法人SOY 訪問看護ステーション管理者大山 あみ

外科病棟を中心に約20年に渡り急性期医療に携わり、検査、処置、入院・手術を含む急変への対応を経験。
病院ばかりではなく在宅医療の重要性を実感するに至り、訪問看護に携わることを決意。
以来、訪問看護ステーションにおいて利用者とご家族のケア並びに従事する看護師の育成とサポートを行なっています。

病棟勤務と訪問看護師の大きな違いは、ご本人様だけでなくご家族への支援も重要になってくることではないでしょうか。
利用者様が安心してご自宅で生活するためには、ご家族の協力も必要です。
しかし、家族支援で特に心がけているのは「頑張りすぎないでいい」と伝えることです。
ご家族ができないことをするために、訪問看護師やヘルパーが存在しています。

ご家族が無理をしてしまわないように、ご家族ともコミュニケーションを取ることが重要だと考えます。
ときには「少し休みましょうか」という言葉が、何よりの支援になることもあります。

訪問看護では家族支援が重要

訪問看護では、利用者様の状態観察や医療的ケアだけでなく、ご家族への支援も欠かせない業務の一つです。

 

利用者様の状況はさまざまで、独りで暮らしている方もいればご家族と一緒に住んでいる方もいます。

また、すぐ近くにご家族が住んでいる場合もあれば、遠く離れた場所で生活している場合もあります。

 

訪問看護では、こうした家族環境に配慮して訪問の頻度やケア内容を決めていく必要があります。

特にご家族による介護が中心となる場合、その負担が大きくなりすぎるとご家族自身の健康状態が悪化し、結果として利用者様の生活維持が困難になる可能性があります。

 

そのため、訪問看護師は利用者様だけでなく家族も含めた広い視野で看護を提供することが大切です。

在宅での療養生活を支える上で家族の役割は非常に大きいですが、ご家族にも自分自身の生活があり、全てを犠牲にすることは長期的に見て持続可能ではありません。

 

私たち訪問看護師は、さまざまな社会資源を活用しながら、ご家族が無理なく介護を続けられるよう一緒に考えていくことが求められています。

 

 

訪問看護における家族支援のサポート内容

説明を聞く患者さん

訪問看護における家族支援には、どのような方法があるのでしょうか。

具体的なサポート内容とその実践方法についてご説明します。

 

ご家族の介護技術向上のための支援

在宅で利用者様をケアするご家族に介護の経験がほとんどないことも珍しくありません。

最初から適切な介護ができる方は少なく、少しずつ技術を身につけていきます。

 

訪問看護師は、利用者様とご家族それぞれの状況を考慮しながら、体位の変え方やおむつ交換の方法、身体の清潔を保つ方法などを一緒に実践しながら伝えていきます。

 

支援のポイント

看護師は専門的な知識と技術を持っているため、理想的な介護方法を教えがちですが、初めて介護に取り組む家族にとっては難しく感じることがあります。

最初は簡単な方法から始め、家族が無理なく続けられる範囲でのケアを提案することが重要です。

介護技術の向上には時間がかかるため、焦らず段階的にお伝えしてしていきましょう。

 

ご家族の心理負担のケア

訪問看護では、ご家族の精神面へのケアも重要な役割です。

特に病院から退院したばかりの時期や介護が始まったばかりの時期は、家族は強い責任感から「しっかりしなければ」という気持ちで緊張状態にあることが多いです。

 

最初は意欲的に介護に取り組めていても、数週間から数カ月が経過すると疲労が蓄積してきます。

十分な睡眠や休息がとれない状態が続くと、身体的な疲れだけでなく精神的な負担も増大してしまいます。

 

支援のポイント

訪問の際には、利用者様の状態だけでなく、介護にあたるご家族の様子も注意深く観察し、労いの言葉をかけることが大切です。

家族がしっかり休息をとれるよう、必要に応じてショートステイなどのサービスの利用を提案し、多職種と連携してサポートします。

長期にわたる在宅療養では、家族自身の健康維持が利用者様のケアの質にも影響するため、継続的な支援が重要です。

 

ご家族の不安軽減のためのサポート

訪問看護が必要となる利用者様は、健康状態が安定しない場合や医療機器を使用している場合が多く見られます。

医療的なケアが必要な状況では、介護するご家族の不安も大きくなります。

 

訪問看護師は、利用者様はもちろん、ご家族も安心して在宅療養に取り組めるよう支援する役割があります。

 

支援のポイント

緊急時の対応方法や医師へ連絡すべき状態について具体的に説明し、看護師が不在のときでも利用者様の変化に気付けるよう家族に伝えます

家族がどのような点に不安を感じているかをよく聞き取り、それぞれの不安に対する対処法を丁寧に説明しましょう。

 

24時間対応可能な訪問看護サービスは、利用者様とご家族にとって大きな安心につながります。

利用者様の状態に合わせた具体的な緊急連絡の目安や判断基準を設けることで、ご家族の不安を和らげ、訪問看護サービスを効果的に活用することができます。

 

訪問看護における家族支援では、ご家族の負担を和らげながら、在宅療養の継続をサポートすることが重要です。

私たちSOYでは、利用者様だけでなく、ご家族に寄り添うケアを大切にしています。

 

利用者様とご家族の「その人らしい生活」を支えるために、医療的なケアだけでなく、心のこもったサポートを提供します。

 

訪問看護の仕事内容は多岐に渡ります。

以下のコラムでは、詳しい仕事内容や、やりがいについて解説していますよ!

訪問看護の仕事内容とは?役割ややりがいなども解説

 

 

訪問看護は家族支援も役割の一つ!継続的で細やかな支援を

訪問看護における家族への支援には、介護技術の向上を助けること、心理負担のケア、不安を軽減するための関わりなど、さまざまな側面があります。

 

在宅療養を続けていくためにはご家族の力が欠かせませんが、ご家族に過度な負担がかかると在宅での療養継続が難しくなります。

 

訪問看護師はさまざまな社会資源を活用しながら、ご家族が無理なく介護を続けられるよう支援することが大切です。

 

一般社団法人SOYでは、利用者様はもちろん、介護に携わるご家族にも寄り添う訪問看護を提供しています。

 

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