訪問看護で働く

2024.09.04

看護における病院と在宅の違いについて解説

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こんにちは。利用者様・ご家族に喜ばれ信頼される訪問看護ステーションをつくる一般社団法人 SOYの大山あみです。

 

看護師と一言でいっても、看護師が働く職場にはさまざまあり、それぞれ特徴や役割などが異なります。

例えば、病院勤務の看護師と訪問看護師では、医療に携わることには変わりはありませんが、勤務体制や看護目標には大きな違いがあります。

 

そこで今回は、看護における病院と在宅の違いについてお話します。

病院医療と在宅医療における他職種との連携の違いなどもご紹介しますので、ぜひご覧ください。

この記事を書いた人

一般社団法人SOY 訪問看護ステーション管理者大山 あみ

外科病棟を中心に約20年に渡り急性期医療に携わり、検査、処置、入院・手術を含む急変への対応を経験。
病院ばかりではなく在宅医療の重要性を実感するに至り、訪問看護に携わることを決意。
以来、訪問看護ステーションにおいて利用者とご家族のケア並びに従事する看護師の育成とサポートを行なっています。

病院看護師としての経験を積んだのち、現在は訪問看護師として働いています。

住み慣れた自宅でゆっくりと療養したいと希望される患者様は多く、病院ばかりではなく在宅医療の重要性を実感するに至り、訪問看護に携わることを決意しました。
「利用者様一人ひとりとじっくり向き合う時間を確保できる」というのが、訪問看護の魅力の一つと感じています。

病院看護師も訪問看護師も、医療チームの一員として患者様を支える点では同じですが、役割や業務内容は大きく異なります。
自身がやりがいを持って活躍できる職場を選ぶためにも、ぜひそれぞれの違いを知っていただけたらなと思います。

看護の仕事における病院と在宅の違いとは?

看護師の働き方の一つに、病院勤務の看護師と訪問看護師があります。

 

病院勤務の看護師は、病院やクリニックなどに勤務。

患者様の症状が改善することを目標に、治療や病気の回復を最優先事項として、医師の指示に基づき患者様の包括的な医療ケアを行います。

 

一方、訪問看護師は訪問看護ステーションや保険医療機関などに所属し、病気や障がいを持つ利用者様の自宅などを訪問します。

 

訪問看護師の役割は、利用者様に合った支援を行い、利用者様とその家族の負担を和らげ、生活の質を向上させること。

かかりつけ医の指示に沿って、利用者様の健康管理や医療的処置、生活のための介助などを実施し、利用者様の健康状態や生活の管理を行います。

 

訪問看護の仕事内容については、下記コラムで詳しくご紹介していますので、あわせてご覧ください。

訪問看護の仕事内容とは?役割ややりがいなども解説

 

 

病院医療と在宅医療の看護の違い

看護師

病院医療と在宅医療の看護には、いくつかの違いがあります。

詳しくみていきましょう。

 

接する時間の違い

患者様・利用者様と接する時間に大きな違いがあります。

 

病院勤務の看護師は、外来や入院している患者様の看護を行います。

多くの患者様を担当するため、どうしても一人ひとりの患者様にかけられる時間が短く、ゆっくりと支援する時間はなかなか取ることができません。

 

また、病院やクリニックの看護師は、2交代制や3交代制で勤務を行うことが多いため、入院している患者様の看護においても、一人の患者様を複数の看護師が担当することになります。

 

一方、在宅医療の訪問看護は利用者様の自宅に訪問して看護サービスを行うため、利用者様一人ひとりとじっくり向き合って看護を行える環境にあります。

 

訪問看護では一回の訪問時間は約1時間。

利用者様と1時間しっかり向き合うことができるため、「利用者様のために何ができるか」「何をしたら良いのか」を考えながら、医療と生活をサポートできます。

 

看護を行う環境の違い

病院勤務の看護師は、安全性が確保された病院で看護を行います。

医療設備も整っているため、患者様の容体が急変したときにも、すぐに対処することができるでしょう。

 

一方、在宅医療を行う訪問看護師は利用者様の自宅に伺って看護をします。

自宅には病院のような医療設備は整っていません。

そのため、限られた環境でいかに利用者様が継続した体調管理を行えるのか、自分自身で判断する必要があります。

 

保険の違い

看護を受ける際に、患者様・利用者様が利用する保険にも違いがあります。

 

まず、公的な保険には大きくわけて「医療保険」と「介護保険」があります。

  • 医療保険:病気やけがの際に1〜3割の自己負担(年齢や収入による)で医療を受けることができる。日本ではすべての国民が公的医療保険に加入する必要あり。
  • 介護保険:介護が必要になったり、日常生活に支援が必要になったりした際に、一部の負担のみでサービス(介護給付)を受けることができる。

 

病院医療を受ける患者様は、一般的には医療保険を利用します。

一方、訪問看護では、利用者様の状況に応じて医療保険を利用するか介護保険を利用するかが異なります。

 

例えば、65歳以上の方で要介護認定を受けている場合は、介護保険が適用されますが、末期の悪性腫瘍など厚生労働大臣が定める疾病に該当する場合などは、医療保険が適用されます。

また、40〜64歳の方で同じく厚生労働大臣が定める疾病に該当する場合は医療保険が適用に。

 

しかし、特定疾病などを罹患していて要介護・要支援認定を受けている場合などは、介護保険が適用されます。

 

 

病院医療と在宅医療における他職種との連携の違い

病院勤務の看護師と訪問看護師は、看護において連携を取るメンバーが異なります。

 

病院医療の場合は、同じ病院内のメンバーとともに一人の患者様と関わります。

しかし、訪問看護師は医師をはじめ、介護・福祉・保健の他職種とも密に連携しながら、利用者様がその人らしい在宅での療養生活を送れるよう支援を行います。

 

医師やケアマネジャーなどと、ほかの組織に属する他職種のメンバーと連携をとる機会が病院看護師に比べると多くなります。

そのメンバーも毎回同じというわけではなく、利用者様によって連携するメンバーも異なります。

 

 

看護における病院と在宅の違いはさまざま

病院勤務の看護師は病院やクリニックなどに勤務して、症状が改善することを目標に、医師の指示に基づき患者様の包括的な医療ケアを行います。

 

一方、訪問看護師は訪問看護ステーションや保険医療機関などに所属して、病気や障がいを持つ利用者様の自宅などを訪問し、利用者様の健康状態や生活の管理を行います。

利用者様に合った支援を行い、利用者様とその家族の負担を和らげ、生活の質を向上させることが訪問看護師の役割です。

 

病院医療と在宅医療の看護には、次のような違いがあります。

  • 接する時間の違い
  • 看護を行う環境の違い
  • 保険の違い

 

病院勤務の場合、多くの患者様を担当するため個別の対応時間は限られてしまいますが、訪問看護師の場合、利用者様一人ひとりとじっくり向き合う時間を取りやすいといえます。

また、医療設備が整った病院で看護を行うか、利用者様のご自宅など、医療設備が整っていない環境で看護を行うかという違いもあります。

 

保険に関しても、病院医療では一般的に医療保険を利用しますが、在宅看護では利用者様の状況などに応じて利用する保険が異なるなど、制度面での違いも知っておく必要があるでしょう。

 

病院勤務と訪問看護は、それぞれに特徴があり、どちらが優れているということではありません。

看護師の皆さまには、ご自身の適性や目標、ライフスタイルに合わせて、やりがいを感じられる場所を選んで活躍していただきたいなと思っています。

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