こんにちは。利用者様・ご家族に喜ばれ信頼される訪問看護ステーションをつくる一般社団法人 SOYの大山あみです。
訪問看護を利用する際、気になるのは費用ではないでしょうか。
訪問看護は利用時間や回数、内容や状況などによって料金が決まっています。
今回のコラムでは、訪問看護でかかる料金について解説します。
事前に費用の目安を知ることで、安心して利用できるのではないでしょうか。
医療保険と介護保険のどちらが適用になるかによって料金が変わりますので、それについてもお伝えしますね。
目次
訪問看護で利用できるサービス
訪問看護は、利用者様の自宅へ訪問して看護を提供するサービスです。
提供するケアの中には、病院で行うような医療処置だけでなく、在宅での療養の中で必要な生活支援も含まれます。
利用者様の状況や状態によって、以下のようなサービスを利用できます。
療養生活での日常生活支援
療養生活の中でも生活の質を維持し、快適に暮らせるよう、日常生活に必要な支援を受けられます。
【サービスの一例】
- 食事や排泄、入浴の介助
- 車椅子やベッドへの移乗支援
- 体位変換などの支援
- 内服薬の管理
病状や健康状態の観察
看護師による、病状や健康状態の確認と管理が受けられます。
定期的な健康チェックにより、体調変化があったときにはすぐに察知し、適切な対応をとれます。
【サービスの一例】
- 体温、脈拍、血圧、呼吸状態などのバイタルサインの測定
- 問診
服薬管理や指導
薬の飲み忘れを防ぐため、訪問看護師が服薬の管理を行います。
【サービスの一例】
- カレンダーや専用の薬箱での服薬管理
- 緩和ケア(疼痛コントロール)のための服薬管理
医療処置や治療上の看護
医師の指示にもとづき、訪問看護師が医療処置を行います。
設備や機器がある範囲内で、一般的に病院で行っているような医療処置が可能です。
【サービスの一例】
- 点滴や採血、吸引、褥瘡の処置
- 経管栄養や在宅酸素、人工呼吸器の管理
- 服薬管理と医療機器の使用指導
リハビリテーション
訪問看護師が簡単なリハビリテーションを行うこともありますが、専門的な内容の場合は、理学療法士や作業療法士が訪問する場合も。
【サービスの一例】
- 関節の可動域訓練やストレッチ
- 日常生活動作(ADL)の訓練(歩行やトイレへの移動、食事動作など)
【医療保険の場合】訪問看護にかかる料金・費用
医療保険を適用して訪問看護を利用した場合の料金をご紹介します。
訪問看護の費用は、療養費と対象加算の合計額です。
※基本療養費・管理療養費・各種加算の記載料金は10割分です。自己負担額は年齢や収入などによって1~3割となります。
※2024年6月改定分
①基本療養費
- 週3日目まで:5,500円 × 回数
- 週4日目以降:6,550円 × 回数
②管理療養費
- 毎月初回:7,670円
- 毎月2回目以降:2,500円〜3,000円×回数
③各種加算
主な加算項目とその料金を紹介します。
【月1回加算されるもの】
- 24時間対応体制:6,520円、または6,800円
※訪問看護ステーションの体制による - 特別管理加算:5,000円、または2,500円
※重症度による - 情報提供療養費:1,500円
【その都度加算されるもの】
- 退院時共同指導加算:8,000円
- 在宅患者緊急時カンファレンス加算:2,000円
- 緊急訪問看護加算:2,650円(月14日目まで)、または2,000円(月15日目以降)
- 難病等複数回訪問看護加算:4,500円(2回/1日訪問)、または8,000円(3回以上/1日訪問)
- 長時間訪問看護加算:5,200円
- ターミナルケア療養費Ⅰ・Ⅱ:10,000円、または25,000円
- 早朝・夜間加算:2,100円
- 深夜加算:4,200円
④その他利用料・保険外利用料
上記でご紹介した料金以外に、延長料金や交通費が発生することがあります。
交通費は、利用する訪問看護ステーションによって規定が異なりますので、事前に確認してみましょう。
※SOYグループは交通費を請求していません。
また、死亡時は死後の処置料(材料費別)が発生することもあります。
【介護保険の場合】訪問看護にかかる料金・費用
介護保険を利用する場合、訪問看護の料金は「単位」で計算されます。
サービスの提供時間に応じて単位数が決まり、その単位数の合計に地域ごとの単価をかけて料金が算出されます。
※2024年6月改定分
①訪問看護費/介護予防訪問看護費
訪問看護は要介護認定1~5、介護予防訪問看護は要支援1~2の方が対象です。
【訪問看護費】
- 20分未満:314単位
- 20分以上30分未満:471単位
- 30分以上60分未満:823単位
- 60分以上90分未満:1,128単位
【介護予防訪問看護費】
- 20分未満:303単位
- 20分以上30分未満:451単位
- 30分以上60分未満:794単位
- 60分以上90分未満:1,090単位
②各種加算
主な加算項目とその料金を紹介します。
【月1回加算されるもの】
- 初回加算:退院日に初回サービス提供350単位、翌日以降に初回サービス提供300単位
- 緊急時訪問看護加算:600単位
- 特別管理加算Ⅰ・Ⅱ:500単位、または250単位
- ターミナルケア加算:2,500単位
【その都度加算されるもの】
- 退院時共同指導加算:600単位
- 夜間・早朝加算:基本利用料の25%
- 深夜加算:基本利用料の50%
- サービス提供体制強化加算:6単位
- 複数名訪問看護加算:30分未満254単位、30分以上402単位
- 長時間訪問看護加算:300単位
1単位の単価は10円を基本に、地域区分と人件費の割合など加算や削減を行い算出されます。
なお、表記の単位は10割分で、所得や世帯状況によって自己負担は1~3割となります。
その他、医療保険が適用の場合と同様、交通費などが発生する可能性があります。
訪問看護の料金や費用を理解して備えよう
訪問看護では利用者様の状況や状態によって、さまざまなサービスを受けることができます。
例えば、食事や排泄の介助など「療養生活での日常生活支援」をはじめ、「病状や健康状態の観察」「服薬管理や指導」「医療処置や治療上の看護」「リハビリテーション」など。
訪問看護の料金は、医療保険と介護保険で異なります。
医療保険では基本療養費、管理療養費、各種加算の合計額で、年齢や収入によって自己負担は1~3割です。
介護保険では訪問時間と加算内容に応じた単位制の料金設定となっています。
どちらも、利用者様の状況や必要なケアによって必要な加算や自己負担額が変わりますので、事前に確認しておくと安心です。