訪問看護を利用する

2024.10.31

訪問看護の利用回数に上限はある?2時間ルールも紹介

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こんにちは。利用者様・ご家族に喜ばれ信頼される訪問看護ステーションをつくる一般社団法人 SOYの大山あみです。

 

訪問看護の利用回数に上限があるのか、疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。

訪問看護の利用回数の上限は、医療保険を利用するか介護保険を利用するかによって異なります。

 

今回は、訪問看護の利用回数についてお話します。

医療保険ならびに介護保険を利用した場合の利用回数の上限や、利用回数を増やすことができるのかなどもご紹介しますので、ぜひご覧ください。

この記事を書いた人

一般社団法人SOY 訪問看護ステーション管理者大山 あみ

外科病棟を中心に約20年に渡り急性期医療に携わり、検査、処置、入院・手術を含む急変への対応を経験。
病院ばかりではなく在宅医療の重要性を実感するに至り、訪問看護に携わることを決意。
以来、訪問看護ステーションにおいて利用者とご家族のケア並びに従事する看護師の育成とサポートを行なっています。

訪問看護の利用回数については、利用者様から「どれくらいの頻度で利用できるのか」「もっと訪問回数を増やしたい」といったご質問をよくいただきます。
実際に、訪問看護の利用回数は、医療保険や介護保険のどちらを利用するかで異なり、また病状やケアの必要性によっても変わってきます。

そのため、訪問看護を効果的に利用するためには、まずは訪問看護の制度やルールを正しく理解することが大切です。
利用回数のルールについて知り、訪問看護を利用する際の不安要素を一つ解消してもらえたらと思います。

医療保険における訪問看護の利用回数の上限

訪問看護は、看護師などが利用者様の自宅を訪問し、在宅での療養生活を支援するサービス。

利用者様の状態によって、医療保険や介護保険を利用することができます。

訪問看護の利用回数の上限は、医療保険を利用するか介護保険を利用するかによって異なります。

 

医療保険を利用して訪問看護を利用する際は、原則として1日1回、そして週3回の利用が上限です。

1回の訪問時間は30~90分が標準となっています。

 

なお、厚生労働大臣が定める疾病や特別管理加算に該当する利用者様、特別訪問看護指示書の指示期間内の利用者様は、1日や週の訪問回数は、原則どおりではなく、1日1回以上や週4回以上の訪問が可能です。

 

具体的には、下記の疾病などに該当する方は、原則以上の訪問が可能となっています。

 

<厚生労働大臣が定める疾病など>

  • 末期の悪性腫瘍
  • 多発性硬化症
  • 重症筋無力症
  • スモン
  • 筋萎縮性側索硬化症
  • 脊髄小脳変性症
  • ハンチントン病
  • 進行性筋ジストロフィー症
  • パーキンソン病疾患(進行性核上性麻痺など)
  • 多系統萎縮症(線条体黒質変性症など)
  • プリオン病
  • 亜急性硬化症全脳炎
  • ライソゾーム病
  • 副腎白質ジストロフィー
  • 脊髄性筋萎縮症
  • 球脊髄性筋萎縮症
  • 慢性炎症性脱髄性多発神経炎
  • 後天性免疫不全症候群
  • 頸髄損傷
  • 人工呼吸器を使用している状態

 

<特別管理加算の対象者>

  • 在宅悪性腫瘍患者指導管理もしくは在宅期間切開患者指導管理を受けている状態にある者、または気管カニューレもしくは留置カテーテルを使用している状態にある者
  • 在宅自己腹膜灌流指導管理、在宅血液透析指導管理、在宅酸素療法指導管理、在宅中心性脈栄養法指導管理、在宅成分栄養経管栄養法指導管理、在宅自己導尿指導管理、在宅人工呼吸指導管理、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理、在宅自己疼痛管理指導管理または在宅肺高血圧症患者指導管理を受けている状態
  • 人工肛門または人工膀胱を設置している状態にある者
  • 真皮を越える褥瘡の状態にある者
  • 在宅患者訪問点滴注射管理指導料を算定している者

※参照:厚生労働省「訪問看護のしくみ

 

利用回数を増やしたいと感じた際は、訪問看護指示書を出している医師へ相談となりますが、まずは訪問看護師や訪問看護ステーションのスタッフに増やしたい旨とその理由について相談してみると良いでしょう。

 

なお、訪問看護を受ける際の手続き方法や、医療保険と介護保険のどちらが優先されるかは、下記のコラムで詳しくご紹介していますので、あわせてご覧ください。

訪問看護を受けるには?相談先や手続き方法を解説

訪問看護は医療保険と介護保険のどちらが優先?違いや優先順位を解説

 

 

介護保険における訪問看護の利用回数の上限と2時間ルール

介護保険を利用して訪問看護サービスを受ける場合は、利用回数に上限はありません。

 

ただし、利用者様の要介護度(要支援1・2、要介護1〜5)に応じて支給限度額が決まっています。

そのため、支給限度額以上に利用した場合は、自己負担額が増えることになります。

 

利用回数を増やしたい場合はケアマネジャーへの相談となりますが、医療保険のケースと同様、まずは訪問看護師や訪問看護ステーションのスタッフに利用回数を増やしたい旨を伝え、どう対応すれば良いか聞くとスムーズです。

 

なお、1回の訪問時間は、必要に応じて「20分未満」「30分未満」「30分以上60分未満」「60分以上90分未満」から選択が可能です。

 

2時間ルールとは

介護保険を使って訪問看護を利用する際、利用回数に上限はありませんが、「2時間ルール」を知っておくことが大切です。

 

2時間ルールとは、訪問看護に1日に複数回入る場合は、訪問と訪問の間隔を原則2時間以上空けなければならないというものです。

もし1日2回訪問して、訪問と訪問の間が2時間以内であれば、1回の訪問として訪問時間を通算し、報酬を算定します。

 

2時間ルールが定められた背景には、1回の訪問時間が短いほど、単位時間あたりの報酬が増加するという仕組みがあります。

1回あたり長時間の訪問看護を利用するよりも、短時間の訪問看護を何度も利用するほうが請求額が高くなってしまうのです。

そのため、事業者側が1日に短時間の訪問を繰り返して報酬を高く請求するということを避けるために、2時間ルールが定められています。

 

なお、下記の場合は訪問看護の2時間ルールは例外となります。

  • 緊急時対応が必要となる場合
  • 1回の訪問時間が20分未満の場合
  • 別の職種が訪問する場合
  • 当初の予定では2時間以上空いていたものの、やむを得ず時間が変動した場合

 

 

訪問看護の利用回数の上限は医療保険と介護保険によって異なる

訪問看護の利用回数の上限は、医療保険を利用するか介護保険を利用するかによって異なります。

  • 医療保険:原則として1日1回、週3回の利用が上限
  • 介護保険:利用回数の上限なし

 

なお、医療保険を利用する場合、厚生労働大臣が定める疾病の利用者様などは、1日や週の訪問回数を1日1回以上や週4回以上とすることが可能です。

また、介護保険は利用回数の上限はありませんが、支給限度額以上に利用した場合は、自己負担額が増えることになります。

 

介護保険の利用者様は、訪問看護に1日に複数回入る場合は、訪問と訪問の間隔を原則2時間以上空けなければならない「2時間ルール」があることも覚えておきましょう。

 

訪問看護の利用回数を増やしたいと感じる場合は、まずは担当の訪問看護師に相談し、医療保険の利用者様は訪問看護指示書を出している医師に、介護保険の利用者様はケアマネジャーに相談しましょう。

 

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