こんにちは。利用者様・ご家族に喜ばれ信頼される訪問看護ステーションをつくる一般社団法人 SOYの大山あみです。
訪問看護の現場では「休みが取りにくい」という声をよく耳にします。
訪問看護は利用者様の健康と生活を支える大切な仕事だからこそ、スタッフの皆さんが必要に応じてしっかり休めることも大切です。
スタッフ自身が心身ともに健康で働ける職場環境が、結果として質の高いケアの提供につながります。
今回は、訪問看護の仕事で「休みづらい」と感じる理由と、その解決策についてお伝えします。
目次
訪問看護の仕事は休みづらいといわれる理由
訪問看護では、基本的に利用者様への訪問日時を事前に予定し、担当の訪問看護師が1人で訪問するケースが多いです。
そのため、看護師が急に休むことになると、代わりのスタッフの確保やスケジュールの調整が必要となります。
また、利用者様に対し専任の看護師を設定している事業所も少なくなく、担当している看護師しか利用者様の詳細な状況を把握してないということもあります。
このような状況では、急な欠勤を申し出ることが難しいと感じてしまいます。
特に子育て中の看護師は、子どもの急な体調不良などの可能性があるものの、核家族化が進む現代の日本で、親族からのサポートを得られる家庭ばかりではありません。
そのため事業所側は、看護師一人ひとりの家庭環境やライフスタイルに配慮し、働きやすい環境整備に取り組む必要があります。
訪問看護の休みの取り方の種類
訪問看護の仕事における休みのパターンは、ステーションによって異なります。
最も一般的なのは「土日休み」のパターンです。
多くの訪問看護ステーションでは土日祝日を営業休日としており、日勤のみの勤務を希望する子育て中のママナースにも人気です。
これは、多くの利用者様やご家族が平日の訪問を希望されることが背景にあります。
次に見られるのは「シフト制」です。
土日休みのような固定勤務に対し、勤務する曜日や時間が週ごとに変動する働き方です。
シフト制の場合は必ずしも土日に休みになるとは限らず、平日に休みが入ることもあります。
例えば、土日も対応が必要な利用者様がいる場合には、シフト制で対応するケースもあります。
また、「固定曜日休み」という形態もあります。
例えば毎週水曜日と日曜日を休みとするなど、あらかじめ休日を固定することで予定が立てやすくなるというメリットもあります。
最近では、「時短勤務」や「週3〜4日勤務」など、ライフスタイルに合わせた多様な働き方を導入するステーションも増えてきています。
「休みづらい」と感じてしまうのには、このような勤務形態がご自身に合ってない可能性もあります。
勤務形態にはさまざまな選択肢がありますが、実際には体調不良や家庭の事情などで、突発的に休まなければならない場面もあるかもしれません。
訪問看護ステーションへの就職・転職を検討している際には、そうした急な欠勤時にどのような体制が取られているかも事前に確認しておくことをおすすめします。
ライフスタイルに合わない勤務形態のステーションを選んでしまうと、働くのがきついと感じたり、訪問看護自体が「自分に合わなかったかも…」と悩んでしまう原因になります。
こちらのコラムで詳しくご紹介していますので、あわせてご覧ください。
訪問看護の仕事が合わなかったと感じる理由は?対処法を確認しよう
訪問看護の仕事の休みづらさを解決する対策
訪問看護の休みづらさを解消し、より働きやすい環境を整えるための対策をご紹介します。
時間的余裕を確保したスケジュールの作成
余裕のあるスケジュールを組むことが、休みやすい環境づくりの基本です。
そうすることで、急な欠勤が生じた場合でも、訪問予定の調整が比較的スムーズに行えます。
移動中の事故防止という観点からも、訪問と訪問の間に適切な時間的余裕を確保することが望ましいでしょう。
「常に訪問に余裕がない…」と感じる場合は、管理者に少し余裕を持たせられないか相談してみましょう。
どの看護師でも対応できるような情報共有
急な欠勤が発生した場合には、代わりに別のスタッフが訪問することになります。
そのようなときにスムーズに対応できるよう、新規の利用者様の利用開始時には同行訪問を行ったり、自宅内の構造や物品の配置、利用者様ごとの対応の注意点などを共有したりしておくことが大切です。
特に利用者様ごとの細かな対応については、通常の訪問看護記録には記載されない内容もあるでしょう。
チーム内で共通の記録方法を決めて情報を蓄積しておくことで、代理のスタッフも安心して訪問できる環境を整えられます。
また、急遽別のスタッフに訪問を依頼する際には、電話などで近況を申し送りし訪問に不備のないよう努めましょう。
日常的な情報共有の習慣が、いざというときの迅速な対応を可能にします
利用者様に対する急な担当変更の可能性の説明
担当制の訪問看護を行なっている場合には、事業所の事情により代理のスタッフが訪問する可能性があることや、適切なケア提供のために情報共有が行われていることを、利用者様に事前にご理解いただくことが重要です。
これは急な欠勤だけでなく、緊急対応や移動時の事故による調整が発生した場合に、スムーズに代理の訪問を行うためにも欠かせません。
利用者様が「いつも同じ看護師さんでなければダメだ」という固定観念を持つことは、利用者様にとっても代理で訪問する看護師にとっても、精神的な負担になってしまいます。
訪問看護師も人である以上、やむを得ない事情で休むことがあります。
担当以外のスタッフが対応しても必要なケアを適切に提供できる体制が整っていることを丁寧に説明しましょう。
休暇制度が整った職場を選ぶ
訪問看護ステーションへの就職・転職を考える際には、休暇制度がしっかりと整っているかどうかを確認することも大切です。
有給休暇の取得率や、急な休みへの対応方針などを事前に聞いておくことで、自分のライフスタイルに合った職場を選ぶことができます。
働きやすい訪問看護ステーションを探す際には、以下のポイントをチェックすると良いでしょう。
- 年間休日の日数や勤務時間
- 常勤や非常勤などの勤務形態の選択肢
- オンコール対応の有無
- スケジュール調整の余裕
- 働き方の相談のしやすさ
私たち一般社団法人SOYでは、土日祝日を定休日としています。
法定どおり年次有給休暇も保証しており、希望休の取得も柔軟に対応しています。
もちろん急な欠勤の場合にもサポート体制を万全にしておりますので、小さなお子さんを抱えるママナースの皆さんにも安心して働いていただける環境です。
訪問看護の仕事について詳しく知りたい方は、以下のコラムもぜひ読んでみてください。
訪問看護の「休みづらい」は環境の整備で変えられる!
訪問看護で休みづらい背景には、1人で利用者宅を訪問するために、急な欠勤があると代替えやスケジュール調整を要すること、専任制で担当者しか対応できない場合があることなどが挙げられます。
訪問看護の休みのパターンは、土日休みのほかにシフト制や固定曜日休みがあります。
近年は時短勤務や週3〜4日勤務など多様な働き方も増えています。
訪問看護で休みづらい状況を改善するには、余裕のあるスケジュール組み、誰もが対応できる情報共有、利用者への事前説明などが重要です。
また、休暇制度が整った職場を選ぶことも大切ですよ。
私たち一般社団法人SOYでは、利用者様だけでなく働くスタッフ一人ひとりのライフワークバランスを重視し、長く安心して働ける環境づくりに力を入れています。
皆さんにとって最善の働き方を、一緒に考えましょう。