訪問看護で働く

2025.01.21

精神科訪問看護の仕事内容とは?仕事の魅力、向いている人の特徴も

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精神科訪問看護

こんにちは。利用者様・ご家族に喜ばれ信頼される訪問看護ステーションをつくる一般社団法人 SOYの大山あみです。

 

訪問看護の中でも、精神疾患を抱える方のサポートをするのが精神科訪問看護。

在宅医療のニーズの高まり、そして精神疾患の増加などの背景もあり、精神科訪問看護の需要は高まっています。

 

今回のコラムでは、精神科訪問看護について、役割や仕事内容、魅力などを詳しくご紹介します。

精神科訪問看護の仕事に興味を持っている方、検討している方などはぜひご覧ください。

この記事を書いた人

一般社団法人SOY 訪問看護ステーション管理者大山 あみ

外科病棟を中心に約20年に渡り急性期医療に携わり、検査、処置、入院・手術を含む急変への対応を経験。
病院ばかりではなく在宅医療の重要性を実感するに至り、訪問看護に携わることを決意。
以来、訪問看護ステーションにおいて利用者とご家族のケア並びに従事する看護師の育成とサポートを行なっています。

私も、精神科訪問看護の経験があります。
利用者様の「その人らしい生活」を支えるために、生活面だけでなく心のケアにも目を向ける重要な仕事です。

精神科訪問看護の仕事は、利用者様やご家族の小さな変化を見逃さない観察力が求められ、大変な場面も多いです。
しかし、その分「ありがとう」と感謝される瞬間や、利用者様の前向きな変化に触れることで大きなやりがいを感じます。

興味がある方にはぜひ挑戦してほしい仕事です。

精神科訪問看護とは?役割を知ろう

精神科訪問看護とは、精神疾患のある方や心のケアが必要な方に対して、看護師などの医療専門職が自宅などを訪問して看護ケアや日常生活のサポートなどを提供するものです。

 

精神科訪問看護の役割は、利用者様一人ひとりが地域で自分らしい生活を送れるよう支援することです。

医療と生活の両面からサポートを行い、利用者様の自立と社会参加を包括的にサポートしているのが特徴です。

利用者様本人のケアはもちろん、利用者様を支えるご家族のサポートも行います。

 

精神科訪問看護は、精神科や心療内科を受診している患者様で、医師の指示があれば利用できます。

背景となる疾患には、統合失調症、うつ、双極性障害、アルコール依存症、パニック障害、強迫性障害などさまざまなものがあります。

 

精神科訪問看護の必要とされる背景

ストレスの多い現代社会では、精神疾患を抱える方は年々増加の傾向にあります。

一方で、治療や療養が「病院から在宅へ」という流れにより、入院患者数や平均入院日数は減っています。

 

厚生労働省の「患者調査」からは、以下のようなデータが読み取れます。

  患者総数 外来 入院 入院日数平均
1996年 481.5万人 155.6万人 325.9万人 330.7日
2020年 503.2万人 266.6万人 236.6万人 294.2日

※参考:平成8年患者調査の概要令和2年患者調査の概況

 

入院数や日数が減った分、在宅での治療や療養が増え、精神科訪問看護の需要も増えているのです。

 

 

精神科訪問看護の仕事内容

精神科訪問看護では、医師の指示のもと、利用者様の自宅を定期的に訪問して看護サービスを提供します。

1回の訪問時間は30~60分程度です。

 

精神科訪問看護では医療処置をすることはほとんどなく、状態の把握や自立生活や社会活動をサポートする包括的な支援が中心となります。

具体的には以下のようなサポートを行います。

 

観察による病状の把握

利用者様のバイタルチェックや会話を通じて、病状や精神状態を把握します。

必要に応じて主治医への報告や相談を行います。

 

服薬管理

精神疾患の在宅治療は服薬がメインです。

用法用量を守って服薬できているか、飲み忘れや拒薬がないかなど、適切な服薬をサポートします。

 

生活支援と自立支援

身の回りの管理が難しい利用者様に対して、入浴や身だしなみ、掃除などの生活支援を行います。

単なる介助ではなく、利用者様の自立につながる取り組みを一緒に考え、実行します。

 

社会復帰へのサポート

就労移行支援や精神科デイケアなど、社会復帰に向けたさまざまなサービスを紹介・提案し、利用者様の社会参加を支援します。

 

多職種連携

ケアマネジャーや保健師、他医療機関などと密に連携をとり、地域で包括的にサポートできる体制を構築します。

 

ご家族のサポート

利用者様への声かけやコミュニケーション方法を伝えるほか、ご家族の抱える悩みの相談に乗ることもあります。

ご家族の孤立や不安、負担を和らげるのも重要な仕事です。

 

精神科に限定しない、一般的な訪問看護の仕事内容については、こちらのコラムでも詳しくご紹介しています。

訪問看護の仕事内容とは?役割ややりがいなども解説

 

 

精神科訪問看護師として働くメリット・魅力

精神科訪問看護

精神科訪問看護の仕事のメリットや魅力をご紹介します。

同じ看護師でも、病院勤務とは異なる側面があります。

 

利用者様一人ひとりに時間をかけたケアができる

訪問看護は、担当する利用者様のためにだけに時間をさけるのが特徴です。

一人ひとりの利用者様と長期的な関わりが可能で、じっくりとコミュニケーションを取りながら、深い信頼関係を築くことができます。

 

高い専門性を身につけられる

精神疾患のケアや薬物療法といった、専門性の高い看護スキルを身につけられます。

在宅医療の需要が高まる中、精神科訪問看護師の経験は非常に貴重で、キャリアアップの可能性も広がります。

 

プライベートの時間を確保しやすい

精神科訪問看護は基本的に夜勤がなく、定時で帰宅できることが多いのが魅力。

日勤中心であれば身体的負担が軽く、プライベートも時間を十分に確保できます。

週末休みや休日の代休取得もしやすい職場が多いです。

 

ただし、休日の勤務やオンコール体制は事業所によっても異なるため、事前の確認が必要です。

 

 

精神科訪問看護師に向いている人

精神科訪問看護師に向いている方の特徴を2点ご紹介します。

「精神科訪問看護の仕事に興味があるけど、自分に向いているかわからない」という方は、参考にしてみてください。

 

些細な変化にもきめ細やかに気付ける方

精神疾患を抱える利用者様は、言葉でのコミュニケーションや病状の把握が難しい場合もあります。

そのようなときには、些細な表情や態度、行動などから、利用者様の変化や状態に気付く必要があります。

 

些細な変化から病状の変化にいち早く気付き、適切なケアや対応につなげられる方は、精神科訪問看護師に向いているでしょう。

 

感情をコントロールして冷静に対応できる方

精神科訪問看護師は、利用者様の精神疾患の症状による暴言や抑うつなどに直面することもあります。

そのような場合でも利用者様の感情に巻き込まれず、冷静に客観的な判断と適切な対応ができる方が精神科訪問看護師に向いています。

 

 

精神科訪問看護の仕事内容と魅力を知ろう

精神科訪問看護は、精神疾患を抱える利用者の自宅などを医療者が訪問し、看護ケアや生活サポートを提供するサービスです。

服薬管理や生活支援、社会復帰のサポートなど、医療処置よりも精神的・生活面のケアが中心となります。

 

精神科訪問看護師は、利用者様と長期的な信頼関係を築ける点が特徴です。

 

また、専門性を高められることや、日勤中心でプライベートの時間を確保しやすいことも魅力です。

些細な変化にもきめ細やかに気付ける方、冷静な対応ができる方などに向いています。

 

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