訪問看護を利用する

2024.09.18

訪問看護の事業所の選び方とは?注意点や利用の流れも

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こんにちは。利用者様・ご家族に喜ばれ信頼される訪問看護ステーションをつくる一般社団法人 SOYの大山あみです。

 

在宅医療のニーズの高まりに伴い、訪問看護の重要性も高まっています。

しかし、実際に訪問看護を利用する際、どのように訪問看護事業所を選べば良いのかわからないという方もいるでしょう。

 

今回のコラムのテーマは、訪問看護の事業所の選び方について。

選ぶ際に見るべきポイント、注意点、そして利用までの流れを解説します。

特に初めて訪問看護を利用するという方はぜひご覧ください。

血圧を測る

この記事を書いた人

一般社団法人SOY 訪問看護ステーション管理者大山 あみ

外科病棟を中心に約20年に渡り急性期医療に携わり、検査、処置、入院・手術を含む急変への対応を経験。
病院ばかりではなく在宅医療の重要性を実感するに至り、訪問看護に携わることを決意。
以来、訪問看護ステーションにおいて利用者とご家族のケア並びに従事する看護師の育成とサポートを行なっています。

訪問看護の事業所はたくさんあります。
自分のニーズに合う看護サービスを提供している事業所を見つけることは、これから在宅で安心して生活するために非常に重要です。
利用を開始した後に、事業所を変更したいと相談を受けることも多々あります。

ここでは、自分にあった事業所を探すためのポイントを解説したいと思います。

訪問看護とは

訪問看護とは、医療従事者が利用者様の自宅や居室を訪問し、必要な医療ケアや看護ケアを提供するサービスです。

高齢化社会の進展や、住み慣れた環境での療養を望む声の高まりなどから在宅医療のニーズが拡大し、それに伴い訪問看護の役割も重要性を増してきています。

 

訪問看護では以下のようなケアの提供が可能です。

  • 食事、トイレ、入浴の介助、指導
  • 血圧測定や全身状態のチェックなど健康観察・管理
  • 注射、点滴管理、褥瘡(じょくそう)手当といった医療処置
  • リハビリテーション
  • 終末期のターミナルケア
  • 介護や認知症に関する相談 など

 

看護師をはじめ、保健師や理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの医療従事者が、利用者様の状態や必要に応じて適切なケアを提供します。

 

訪問看護については、こちらのコラムもご覧ください。

訪問看護とは?対象者やサービス内容、使える保険などについて解説

 

 

訪問看護の事業所の選び方のポイント

訪問看護で提供できる基本的なケアは多くの事業所で共通していますが、専門性や所属する看護師、体制などは事業所ごとに特徴があります。

そういった点をチェックし、自分のニーズに合った事業所を選ぶようにしましょう。

 

訪問看護の事業所を選ぶ際にチェックしたいポイントを5点ご紹介します。

事前の面談や見学の際には、ぜひ確認してくださいね。

 

①自宅からの距離

訪問看護の事業所が自宅から近ければ、急な体調変化などの緊急時にも素早く駆けつけてもらえるので安心です。

自宅から遠い事業所の場合、交通費が必要になる場合もあります。

※SOYグループは交通費を請求していません。

 

②職員の人数と構成

看護師の人数や構成は、提供できるケアの質や範囲に影響します。

看護師の人数、専門分野が何か、リハビリ系の医療従事者が在籍しているかなどを確認しましょう。

 

例えば、看護師の人数が少ないと休日などの緊急対応が難しかったり、リハビリの専門家がいなければリハビリテーションを受けられなかったりする可能性があります。

 

③緊急時のサポート体制

夜間や休日の対応体制は事業所によって異なります。

特に高齢の利用者様や終末期のターミナルケア、看取りなど、急変が考えられるケースでは、24時間常時サポートが受けられる事業所が望ましいです。

 

④医療機関との連携

かかりつけ病院や主治医との連携がある事業所なら、利用者様の状態や治療方針を共有しながらケアを進められるので安心です。

病状が悪化して入院する場合や、体調が落ち着いて退院する場合もスムーズに進められるでしょう。

 

また、地域の医療機関と情報共有をしながら地域特有の医療事情を理解し、スキルアップに努める事業所を選べば、より質の高いケアが期待できます。

 

⑤対応の質やコミュニケーション

利用者様と適切なコミュニケーションをとり、寄り添う姿勢でケアを提供している事業所を選びましょう。

丁寧な言葉遣いや立ち振る舞い、ご家族への対応なども気になる部分がないかチェックすると安心です。

 

 

訪問看護の事業所を選ぶ際に知っておきたいこと

訪問看護の事業所を選ぶ際には、以下の点も知っておきましょう。

 

保険の支給限度額

保険の支給限度額は、どこの事業所を選択しても変わりません。

訪問看護は医療保険、または介護保険を適用して、費用の1~3割負担(収入による)で利用できます。

 

介護保険の場合、支給限度額を超える分は、全額自己負担となります。

限度額の計算では、介護ヘルパーなどの介護サービスの費用も合算して計算されます。

 

訪問看護を利用する際、医療保険を使うのか、介護保険を使うのかという点については、こちらのコラムをご覧ください。

訪問看護は医療保険と介護保険のどちらが優先?違いや優先順位を解説

 

準備期間を考慮

訪問看護の利用には訪問看護指示書の発行やケアプランの作成といった手続きが必要です。

事業所選びや打ち合わせなども時間がかかるため、「訪問看護を利用したい」と思ってもすぐには利用開始ができない場合もあります。

 

必要性を感じ始めたら、できるだけ早めに準備に取りかかりましょう。

 

日常生活のサポートではない

訪問看護は看護ケアや医療ケアを提供するサービスです。

掃除や炊事、買い物など、日常生活の支援は提供ケアの中には含まれません。

そのような支援が必要な場合は、介護ヘルパーなどの手配を検討しましょう。

 

 

訪問看護を利用する流れ

訪問看護

医療保険を適用して利用するのか、介護保険を適用して利用するのかによって手続きが少し異なります。

訪問看護を利用するまでの流れを、それぞれ簡単にご紹介します。

 

【医療保険を適用する場合】

  1. 主治医に相談
  2. 訪問看護指示書の発行
  3. サービスの利用開始

 

【介護保険を利用する場合】

  1. 介護保険の申請
  2. 要介護認定の調査
  3. 要介護度の結果通知
  4. ケアプランの作成
  5. サービスの利用開始

 

訪問看護を利用するには、医者の指示や要介護認定などを受ける必要があります。

まずは、かかりつけ病院の主治医や看護師、相談員、地域のケアマネジャーなどに相談してみましょう。

 

こちらのコラムでも、訪問看護を利用する手続きや流れ、相談先などについて詳しくご紹介しています。

ぜひあわせてご覧ください。

訪問看護を受けるには?相談先や手続き方法を解説

 

 

訪問看護の選び方を知って適した事業所のサービスを受けよう

訪問看護は、医療従事者が利用者様の自宅や居室で医療・看護ケアを提供するサービスです。

 

訪問看護の事業所の選び方では、自宅からの距離、職員の人数と構成、緊急時のサポート体制、医療機関との連携、対応の質やコミュニケーションなどをポイントに選びましょう。

事業所の特徴をしっかり確認し、自分のニーズに合った事業所を選ぶことが重要です。

保険の支給限度額は、どの事業所を選択しても変わりません。

 

手続きには時間がかかるため、その期間も考えて早めに準備を進めましょう。

家事などの生活支援は訪問看護の提供サービスに含まれないので、それらが必要な方はヘルパーなどのサービスもあわせて検討してくださいね。

 

訪問看護は、医療保険または介護保険を適用して利用するため、主治医の指示や要介護認定などの手続きが必要です。

まずはかかりつけ医や看護師、ケアマネジャーなどに相談してみてください。

 

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