こんにちは。利用者様・ご家族に喜ばれ信頼される訪問看護ステーションをつくる一般社団法人 SOYの大山あみです。
訪問看護で利用者様の自宅に伺った際、利用者様から「来てほしくない」と言われてしまうことがあります。
このような状況に直面すると、戸惑いや不安を感じる訪問看護師の方も多いのではないでしょうか。
しかし、その理由を知り、適切な対応ができれば、利用者様とさらなる信頼関係を築き、より良い看護サービス提供につながることもあります。
今回のコラムは、訪問看護で「来てほしくない」と言われてしまう理由と、その適切な対処法を解説します。
今後同じような状況を防ぐための具体的な対策などもお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
目次
訪問看護で「来てほしくない」と言われた場合に考えられる理由
訪問看護の現場で「来てほしくない」と言われてしまう背景には、さまざまな要因が考えられます。
まずは、その主な理由について見ていきましょう。
訪問看護師の能力や経験に関する不安
訪問看護師としての経験やスキルが十分でないと思われた場合、利用者様から不安の声が上がることがあります。
「前の看護師の方が良かった」「期待していたサービスと違う」といったご意見もあった場合、看護技術や対応への不安が原因かもしれません。
また、コミュニケーションスキルが不足していることで利用者様との信頼関係を築くことができず、拒否につながることもあります。
マナーや身だしなみの問題
基本的なマナーや身だしなみに関する問題も、拒否の理由となることがあります。
例えば、「言葉遣いが適切でない」「説明なく室内の物を動かす・触る」「服装が不適切である」などの場合です。
医療専門職として、そして利用者様の自宅に訪問する際に求められる清潔感や礼儀作法は、信頼関係を築く上で重要な要素でしょう。
訪問看護師としてのマナーについては、こちらのコラムもご参考ください。
相性の不一致
必ずしも訪問看護師の能力やマナーが問題ではなく、単純に相性が合わないと感じられる場合もあります。
価値観の違いや、何気ない態度、考え方、雰囲気の違いなどが要因となることがあります。
これはどちらが悪いというわけではありません。
性別に関する希望
介助やケアを受ける際の心理的な負担から、看護師の性別に対する希望が生じることがあります。
「異性による介助は恥ずかしいので同性の看護師が良い」「力の強い男性看護師の方が安心できる」といった希望を持っている方もいるでしょう。
認知症による影響
認知症を抱える利用者様の場合、訪問看護の必要性や状況を正しく理解できていないことがあります。
自身で依頼した記憶が曖昧になっていたり、そもそも看護の必要性を感じていなかったりすることで、拒否反応を示すことがあります。
訪問看護サービス自体への拒否感
ときには、訪問看護サービス自体を望んでいない場合もあります。
例えば、家族が利用者本人の意思に反して依頼したケースや、体調や精神状態の悪化により他者との接触を避けたいと感じているケース、そもそも自分は病気ではないので必要ないと思っているケースなどがあります。
訪問看護サービスへの理解
初回の訪問時や契約時に、訪問看護で出来ること、出来ないことを正しく説明し理解していただく必要があります。
訪問看護サービスについて正しく理解していただけていない場合、「思っていたのと違った」などの理由で訪問看護サービスの終了になる場合があります。
「来てほしくない」と言われてしまった際にすべきこと
「訪問看護に来てほしくない」と拒否を受けた際は、冷静に状況を把握し、適切な対応をとることが重要です。
具体的な対応について見ていきましょう。
ご利用者様に理由を確認
まずは利用者様に対して、拒否の理由を丁寧に伺いましょう。
この際、高圧的な態度は避け、相手の気持ちに寄り添う姿勢で対応することが大切です。
もし理由を話したくない様子の場合は、無理に聞き出そうとしてはいけません。
訪問看護ステーションへ報告
「来てほしくない」と言われた場合は、必ず訪問看護ステーションに報告し、情報を共有します。
どのような対応をすべきか、気を付けるべきこと、改めるべきことはないかを相談し、必要に応じてサービス内容の見直しや、担当看護師の変更などを検討するケースも。
訪問看護でクレームを受けた場合の対応について、こちらのコラムでも詳しくご紹介していますのであわせてご覧ください。
訪問看護におけるクレーム対応とは?原因や対処法・予防策を解説
ご家族への確認と相談
利用者様本人へ理由を尋ねるのと同時に、ご家族にも状況を説明し、思い当たることがないかを聞いてみましょう。
普段の様子や何か気になる変化があったかなどの情報を得られることもあります。
医療関係者への相談
利用者様の様子がいつもと異なる場合は、主治医やケアマネジャーにも報告を行います。
病状の変化や、何らかの健康上の問題が影響している可能性もあるためです。
医療関係者全体で情報共有することが大切です。
「来てほしくない」と言われないために訪問看護師ができること
訪問看護師として、利用者様から「来てほしくない」という拒否を防ぐために心がけるべきことは数多くあります。
まず基本となるのは、看護師としての技術や知識の向上です。
これらは一朝一夕に身につくものではありませんが、日々の経験を重ねながら、一つひとつの処置や対応を丁寧に行うことが大切です。
また、丁寧なコミュニケーションを心がけることで、利用者様との信頼関係を築くことができます。
適切な声かけや説明により不安を取り除き、傾聴の姿勢で利用者様の心に寄り添うことで、何に不満を感じているのかにも気づきやすくなります。
限られた訪問時間の中で、利用者様のために何ができるか、何をすべきかを常に考え、それをスタッフ間で話し合い、実践していきましょう。
訪問看護師の立ち居振る舞いが利用者様に不快な思いを与えないよう、利用者様の尊厳を第一に考えた言葉遣いや態度を心がけることが大切です。
「知識」「技術」「寄り添う心」を育みながら、看護の質を向上させていくことが、利用者様からの信頼を得ることにつながります。
「訪問看護に来てほしくない」を乗り越えてより良いケアを
訪問看護で利用者様に「来てほしくない」と言われた場合、まずはその原因を知り、情報共有と適切な対応を行うことが重要です。
訪問看護を拒否する理由には、看護師の能力に対する不安やマナーの問題、相性や性別の希望などがあることも。
丁寧に理由を聞き取り、訪問看護ステーションや医療関係者と情報共有をしながら対応しましょう。
日頃からの丁寧なケアと利用者様に寄り添うコミュニケーションを通して利用者様と信頼関係を構築することが、拒否の防止にもつながります。
訪問看護の現場で得た経験を生かし、より良い看護ケアを目指していきましょう。