訪問看護の仕事が合わなかったと感じる理由は？対処法を確認しよう

こんにちは。利用者様・ご家族に喜ばれ信頼される訪問看護ステーションをつくる一般社団法人 SOYの大山あみです。

 

訪問看護師として働き始めたものの、「訪問看護の仕事が合わない」「自分には向いていないのでは」と悩んでしまう方も少なくありません。

 

そこで今回は、訪問看護の仕事が合わないと感じてしまう要因や、そのような場合の対処法、自分に合う訪問看護ステーションの見つけ方について解説します。

自分らしく笑顔で働ける環境を目指しましょう！

「訪問看護の仕事が合わなかった」と感じてしまう要因は？

訪問看護は、利用者様のご自宅などで看護サービスを提供する仕事です。

訪問看護の仕事を始めたものの、合わないと感じてしまう主な要因についてご紹介します。

 

時間に追われて忙しい

病院などでの勤務経験を経て、「利用者様とじっくり関わりたい」思いを持って訪問看護師になる方は多いです。

 

しかし訪問看護は、1日に複数件を訪問することがほとんど。

30分・60分・90分などの決められた時間の中で必要なケアを提供し、次の訪問先への移動時間も考慮しながら業務をこなす必要があります。

そのため、スケジュールに追われて忙しい、業務量が多いと感じてしまうケースも多いです。

 

忙しさを感じてしまうと、訪問看護師になる前の「利用者様とじっくり関わりたい」という思いを実現できないと感じてしまうこともあるでしょう。

 

知識や経験が足りないと感じる

訪問看護の利用者様の年齢や疾患、状況はさまざま。

幅広い年齢層、さまざまな疾患や症状を持つ方々へケアを提供するため、必要となる知識やスキルの範囲も広いものとなります。

 

また、ほかの医療職との連携や、ご家族への支援など、医療ケア以外の調整力やコミュニケーション能力なども必要となり、求められる業務・スキルの幅広さに戸惑いを感じてしまうこともあるでしょう。

 

1人で判断しなくてはいけないプレッシャーがつらい

訪問看護は1人で利用者様を訪問するため、イレギュラーな場面に遭遇しても自分がその場で判断を下さなくてはいけません。

体調の変化や急変時の対応、医師への報告の有無など、利用者様の健康や生活に影響する重要な判断を迫られる場面もあり、そのプレッシャーが重荷となってしまう方もいます。

 

オンコール対応がストレスに感じる

24時間対応体制をとっている訪問看護ステーションでは、当番制で緊急時のオンコール対応にあたっています。

 

オンコールの担当日は休日でもいつ連絡がくるかわからないため、遠出ができない、夜にお酒を飲めないなど、プライベートな時間の過ごし方にも制限がかかります。

休日であってもリラックスできない状況が続くことで、精神的な負担を感じてしまう方も多いようです。

 

人間関係が構築できない

訪問看護は、上司や同僚はもちろん、地域の医療機関の医師や看護師、ケアマネジャーなどとの連携が必須です。

しかし病院看護師とは違い、ケアの提供中は基本的に1人のため、人間関係の構築に時間がかかってしまう方もいるでしょう。

 

うまく人間関係を構築できないと、仕事を円滑に進められなかったり働きにくさを感じたりしてしまうこともあります。

 

訪問看護はやりがいの大きな仕事であると同時に、大変であることも事実です。

こちらのコラムでも訪問看護のやりがいや大変さ、きついと感じる場合の対処法などを解説していますので、あわせてご覧ください。

訪問看護はきつい？理由やきついと感じた場合の対処法を紹介

訪問看護の仕事内容とは？役割ややりがいなども解説

 

 

訪問看護が合わなかったと感じる場合の対処法

今の仕事につらさを感じているからといって、「訪問看護が合わなかった」と判断するのは早いです！

困りごとやつらさを解消するための対処法をご紹介しますので、参考にしてみてください。

 

上司に相談する

業務上の困りごとや不安を感じているなら、まずは上司に相談しましょう。

「オンコール対応が負担なので当番を減らせないか」「スケジュール管理が難しいのでコツを教えてほしい」「特定の利用者様の対応が難しいので一度同行してほしい」など、現在困っていることを伝え、指示や助言を仰ぎます。

 

経験豊富な上司からアドバイスをもらうことでコツをつかめたり、上司が解決に向けた対応をとってくれたりすることも多いです。

 

訪問看護の知識・スキルを磨く

経験不足やスキル不足から来る不安を感じている場合は、意識的に学びの機会を設けることが重要です。

わからないことは先輩看護師へ積極的に質問したり、研修会や勉強会へ参加したりして、少しずつスキルアップを図っていきましょう。

研修プログラムを設けている、地域の勉強会への参加費用を補助しているという訪問看護ステーションも多いです。

 

SOYでも、月2回のナースカンファレンスを実施し、知識と技術の研鑽や、情報共有を目指しています。

知識とスキルを高め、経験を積んでできることが増えていくと、不安や困難さも解消していくでしょう。

 

同業者と交流する

1人で働くことの多い訪問看護師ですが、大変さを共感し、励ましあえる仲間は必要です。

同じ職場の同僚をはじめ、地域で行われる研修会などに参加して同じ訪問看護師や医療職の方々との交流を広げてみましょう。

日々の悩みや不安を共有し、共感し合える仲間の存在は、精神的な支えとなります。

 

また、地域の医療従事者との人間関係を築くことで、業務上の連携もスムーズになっていきます。

 

なお、「訪問看護の仕事」そのものが合わないのではなく、現在の環境や働き方が自分に合っていない可能性もあります。

そんな場合は、ほかの訪問看護ステーションへ転職するのも一つの選択肢です。

 

自分に合った職場を見つけられれば、ぐっと働きやすくなるはずです。

次の項目で詳しくご紹介します。

 

自分に合う訪問看護ステーションに出会うために

訪問看護ステーションは年々増加傾向にあり、それぞれに特徴があります。

自分に合った訪問看護ステーションを見つけるためのポイントをご紹介します。

 

特徴を理解する

ステーションを選ぶ際は、24時間体制の有無、オンコール対応の頻度、主な利用者様の特徴、記録方式など、働き方や業務内容に影響する特徴について理解しましょう。

事前に理解しておくことで、そこでの働き方をイメージできます。

 

SOYでは、スタッフのご家庭の事情に応じ、できる限りスタッフ間で融通しあいながら勤務時間や土日祝の出勤当番日などを調整しています。

特定の方に負荷が偏らないように配慮しながら、協力しあって働いています。

 

基本方針を理解する

その訪問看護ステーションの看護に対する考え方や方針に共感できるかどうかも、重要な判断材料となります。

 

例えば、SOYには「利用者様の心を重んじる」という信念があり、面接に来られた看護師さんとは、企業理念、ビジョン、基本方針の読み合わせを行なっています。

私たちの考えに賛同していただける看護師さんと一緒に仕事をしたいと思っています。

 

求人条件を確認する

給与や休日数、有給休暇の取得率など、具体的な労働条件の確認も欠かせません。

特にワークライフバランスを重視したい方は、残業時間や勤務時間の選択肢、柔軟性なども詳しく確認しておきましょう。

 

複数のステーションを比較する

一カ所の訪問看護ステーションだけを見て決めるのでなく、複数のステーションの特徴や条件を比較検討することで、より自分に合った職場を見つけやすくなります。

看護師専門の転職サイトなども活用して、幅広い選択肢の中から検討を進めていくと良いでしょう。

 

この訪問看護ステーションはどういう方針なのか、そして自分がここでどう働きたいのかを明確にすることは、自分らしく働くためにも大切なことです。

訪問看護に携わる看護師の皆さんへ伝えたい、SOYからメッセージはこちらのページをご覧ください。

未来の看護師さんへ

 

 

別の訪問看護ステーションへの転職をする際は、履歴書にどのような志望動機を書けば良いか迷ってしまう方も多いと思います。

ご自身が「どう働きたいか」を明確にした上で、下記の訪問看護の志望動機の書き方についてご紹介したコラムもぜひご参考ください。

訪問看護の志望動機の書き方を解説！考え方や例文も

 

 

訪問看護の仕事が合わなかったと感じる場合は理由にあわせた対処を

「訪問看護の仕事が合わなかった」と感じる場合、仕事内容の想像との違いや必要とされるスキル、働き方などが原因となっているケースが多いです。

例えば、訪問先での限られた時間でのケア提供や、1人で判断を迫られる場面が多いこと、オンコール対応の負担、人間関係構築の難しさなどが挙げられます。

 

このような困りごとを感じている場合は、上司へ相談したり、看護スキルを上げたりすることで解決の糸口が見つかることもあります。

 

また、自分に合った訪問看護ステーションに転職することも一つの選択肢です。

訪問看護ステーションごとの特徴や方針を理解し、労働条件を比較しながら探すと、自分に合った働きやすい職場を見つけやすくなりますよ。

 

「どういう方針の訪問看護ステーションなのか」「自分がここでどう働きたいのか」を深掘りしていくことも、自分らしく働くために大切なこと。

選択を後悔しないよう、自分自身とステーションと、しっかり向き合いましょう。